【ギフテッド向きの教育システム④それぞれの特徴とギフテッドの特性】幅広くか専門を深めるか
【ギフテッド向きの教育システム③インターも様々】ではインド系からフランス系まで、バンコクにある様々なインターナショナルスクールについて書きましたが、では、ギフテッドにはどの教育システムが向いてるのでしょうか
日本の大学を目指すの?
先日ネットサーフィンをしていて、「バンコクのインターナショナルスクール案内日本語サイト」みたいのにたまたまたどり着いたんですが、それぞれの学校の詳細欄に「日本のどの大学に入ったか」っていうのが載っていて驚きました。
インターナショナルスクールに入れる、って時点で、私としてはその延長線上には日本の大学はなくて、あったとしてもIB(国際バカロレア)とか帰国子女のなんちゃらを使って東大とか入れちゃったらおいしいねえ、って頭の隅っこにちょこーっとあるくらいだったので、日本の大学への進学率でタイのインターを選ぶ、っていうアイデア自体が驚きでした。
最終的には日本へ、というスタンスでタイに来ている駐妻さんたちはそういう視点で学校を選んでるんでしょうかねえ。
詰込み型(シンガポールとか)とその反対型(モンテッソーリとか)
私がインターナショナルスクールを選ぶときに考慮したのは、教育システムでした。
まず、幼稚園、小学校レベルの話なんですが、これは【知能指数検査とギフテッド判定】シリーズにでてくるギフテッド判定してくださったドクターに「どの系統の学校がうちの場合よろしいか」と聞いたときにいただいた答えが、我が家の場合その後の進路選択に大きな影響を与えています。
息子の特性の詳細は【知能指数検査とギフテッド判定】シリーズで書く予定なのでその辺はここでは割愛させていただきますが、その時の息子の特性を鑑みたドクターのお答えは
「極端でないシステムのほうがいい。シンガポールみたいにガリガリお勉強すぎるのでもなく、モンテッソーリみたいな方向性でもなく。」
というものでした。
余談ですが、最近ではシンガポールもガリガリ詰め込み型ではなくなってきたようなことを聞いたような気がするのですが気のせいかな。
まあなんにしても、モンテッソーリ系の正反対にあるのがシンガポール、って感じでドクター話してました。
IB(国際バカロレア)、イギリス系(Aレベル)、アメリカ系
【ギフテッド向きの教育システム③インターも様々】ではフランス系やドイツ系、インド系なども取り上げましたが、我が家にとっては現実的ではないので今回はスルーするとします。
すると、こんな感じになる。
- 【詰込み型】シンガポール、日本、中国、韓国 等
- 【中間】IB(国際バカロレア)、イギリス系(Aレベル)、アメリカ系
- 【詰込みと真逆】モンテッソーリとかシュタイナー等
で、【中間】にあるIB(国際バカロレア)、イギリス系、アメリカ系の三つをさらに掘り下げていきます。
この三つを掘り下げるときに注目するのは、その「出口」です。
IB(国際バカロレア)
IB(国際バカロレア)は探求型の教育システムで、日本でも注目されていて何年までに日本でIB(国際バカロレア)校をいくらいくらまで増やす!みたいな記事をどこかでみた気もするのですが、とにかく詰込み型ではない教育方法です。
そしてIB(国際バカロレア)が選択できるインターだと、卒業時にに「IBDP(ディプロマ)」をゲットすることができます。
これが海外の大学に入るのにどれだけパワフルなものなのか、というのはここではおいておいて、これをゲットするまでのプロセスに目を向けてみると、IBDP(ディプロマ)をゲットするには、理数系と文系をバランスよく選択する必要があります。さらに社会貢献なんかも必須で入っています。
IB(国際バカロレア)の三つの柱が、芸術などの活動で必要な「創造性」、健康的なライフスタイルを促す「活動」、そして無報酬で社会貢献や交流活動を行う「奉仕」だそうで、つまり、幅が広いんです。
あとちょっと気になっていたのが、どこかで目にした記事なんですが、「探求型」であるIB(国際バカロレア)は、「探求」に偏りすぎると「探求」するための「基盤」、つまり多少は詰め込む必要がある読み書きや計算がおろそかになってしまい、「基盤」が弱くて「探求」も満足できない生徒が出来上がってしまう、だから特にPYP(小学校レベルのIB)では先生がよっぽどIB(国際バカロレア)に精通していている人でないとその真価が発揮できなくなる、とのこと。
これ私も思った。詰め込み教育ってなんだかんだ言われているけど、そこ飛ばしちゃうと「探求」も満足にできないよね。
アメリカ系
次にアメリカ系。アメリカだとAPですが、アメリカの大学の場合APスコアだけでなく、その他のスコアやエッセイ、推薦状、学校の成績、課外活動、そして面接なども含めて総合的に評価するので、これまた広い。
イギリスAレベル
対してイギリスのAレベルは、IB(国際バカロレア)やアメリカに比べると、狭く深くらしいんです。
ただしこちらも、近年「課外活動」らしきものが足された気もするんですが、それでも他にに比べると狭い。
つまり、より専門を深める勉強ができるということになります。
そういった理由から、ドクターは「極端に何かに長けている特性を持つギフテッドの場合は、広いより深いほうがいい。つまり、IB(国際バカロレア)とAレベルならAレベル。」とおっしゃってました。
IB(国際バカロレア)からイギリス系へ鞍替え
幼稚園入園前は、よくわかんないけどIB(国際バカロレア)っていいらしいし、雰囲気で引き寄せられてニスト(NIST International School)とか狙っていました。
一応ウエイティングに入っていたのですが、知能指数検査受けてドクターのアドバイス聞いた後に合格の電話が来たので、気分がすっかりイギリス方面向いてしまっていてご縁なく。
これに関しては、ウエイティング中にとりあえず入園していた幼稚園がとても居心地よくて、しかも次の年にその幼稚園の一番人気のすごーく評判の良い先生が担任になることが決まっていたこともあって、他に動く気がさらさらなくなっていた、というのもありました。
どんなに素晴らしいといわれている学校でも、評判がよい学校でも、特性に合っている学校でも、そこで担任がハズレだったらなんのこっちゃですからね。
それ言っちゃったらこの記事自体意味ないじゃんね。
入ってみないとわからない
最終的に息子が入ったのはイギリス系のインターナショナルスクールでしたが、小中学校がイギリス系で最後がIB(国際バカロレア)の学校なので結局IB(国際バカロレア)なので、小学校はPYP(小学校レベルのIB)ではないんだけどハイスクールでのIB(国際バカロレア)を念頭に入れてそれに向けた教育してる、という感じ。
PYP(小学校レベルのIB)ほど探求に軸はおいていない「イギリス式」。トピックベースといって、トピックを中心に科目を学ぶんです。
例えばトピックが「ハロウィン」なら、ハロウィン関連のお話読んだり、ガイコツの骨使って数の理解を深めたり(もちろん本物の骨ではありません)。
歴史なんかはいきなり世界史で、「エジプト文明」だったら当時の服装を再現して着てみたり(そのコスチューム用意するの親です)、アヌビスの置物作ってみたり、エジプト文明について自分で調べてまとめたり。
教科書はなくて、先生がどっかから拾ってきたプリントのみで進んでいくので、荷物が軽いし、全体的に「楽しいかどうか」が最優先されてる感じで、まあいいんだけど、日本のように教科書があって「今この辺のこれやってる!」っていう明確な全体像がが見えてこないってのはある。
それぞれの教育システムを散々調べて検討して、ドクターの意見も参考にして「詰め込み式すぎない」教育をあえて選んだわけなので何をいまさらって話なんだけど、やっぱり日本やシンガポールにくらべると緩いのよねえ。
特に軍隊式詰め込み教育を生き抜いてきた私の目から見ると、正直、これで大丈夫なのかなーと。
まあ「英語ができるようになりたい」とかいう目的なら緩くても何でもいいと思いますが、英会話学校じゃなくて学校ですから、「学力」って重要です。
そしてその「学力」にしてもそれぞれ国で教育のベクトルが違う。
息子もなんか物足りないらしく「もっとチャレンジング(=ガリガリ勉強系)な学校がいいかも。」と言うようになり、私も「なんだかんだいって結局、詰込み型の方が合ってるんじゃないか」とまでここ最近思うようになりましたました。
【インターのMFL①複雑なMFL選択システム】の件で、散々調べたり悩んだりしたけど全然違う結果になったのと同様、環境とか先生とか、他のいろんな要素と本人との相性もあるので、結局行ってみてやってみなきゃわかんないことの方が多い、という結論です。
なんのこっちゃ、な結論ですいません。