インクルーシブ教育とギフテッド

息子が通うバンコクのインターナショナルスクールは、「インクルーシブ」教育を謳っているので、発達障害はもちろん、ダウン症や身体障害のある生徒さんもたくさん通っています。


そしてそういった生徒さんに対しての「スペシャル」なサポート体制が整っていて、一人ひとりにつきっきりでケアしてくれる専属の先生もつくので、他の生徒の負担になる、というような問題も生じず、国籍や人種の違いのみならず、色んな意味でものすごいダイバーシティな環境となっています。

ちなみに、この「スペシャル」な枠で入学すると学費にその「スペシャル」な分の料金が上乗せされます。

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色んな意味でものすごいダイバーシティな学校の裏側

古くからの友人で、私も夫も仲良くさせてもらっている、奥さんがタイ人で旦那さんがイギリス人のカップルのお子さんは、足が不自由でした。

うちの息子と同じインターナショナルスクールに通っていて、というか、息子より3つほど年上なので、我が家より早く入学していたこともあって、校内の情報とかよく教えてもらってました。

先日久しぶりにお会いしたところ、事情があって一時期イギリスに帰国していたとのこと。

その間息子さんはイギリスの現地校に通ってみたんだけど、馴染めなかったとのこと。


注目

なのでタイに戻ってきてまた学校探しをしたそうで、まずは有名な名門校ニスト(NIST: New International School of Thailand)に入ってみたものの親子共々ハッピーじゃなかったので、今他の某インターに通っているとのこと。

ニスト(NIST)ネタに関しては機会があったらまた書くとして、ここで素朴な質問が。

イギリス帰国前に通っていた学校、つまりうちの息子が通っている学校に戻ってくるという案はなかったのか?

回答:うちの学校でも色々ハッピーじゃないことがあった。

親の見解と学校の見解が異なってお金がかかると不満がつのる

「ハッピーじゃなかった」詳細はこんな感じ:

イギリスの学校ではもうサポートはいらないと言われた。

なのに、バンコクの元いたインター(うちの息子が通っている「インクルーシブ」なインター)では、まだサポートが必要です。追加料金払ってください、と言われた。

なんか追加料金とりたいがためにサポート必要って言われてるみたいで納得いかない。

この件、イギリスに行く前から揉めてたみたいで、戻ってきてからもやっぱり食い違って、それで結局他の学校行くことになったらしい。

そういえば私も、この「追加料金」について、ちょっと方向性が違うけど疑問に思ったことがある。

ギフテッドの飛び出てる分への「サポート」は「サポート」なのか

息子が通っていた幼稚園(イギリス系インター)の先生が、今息子が通っているインクルーシブなインターについて、「この学校はインクルーシブ教育を謳っているので、上に飛び出している「ギフテッド」もインクルーシブでなんかケアしてくれるかもしれないよ」とのアドバイスをくれました。

問い合わせたところ、ギフテッドのケアはない、という結論だったのですが、調べたり問い合わせのお返事を待っている間ちょっとした疑問が生じていました。


「インクルーシブ」なインターは「スペシャル」なカテゴリで入るとケアしてもらえる分お金高くなる。

ということは、「ギフテッド」な「スペシャル」枠がもしあったとしたら、それ用のスペシャルなケアしますんで料金上乗せしますってことになるのか?

特に2Eとかの凸凹だと、飛び出してるけど要サポートになるだろうから、そうなるとギフテッドでスペシャル枠になって料金上乗せか。

うーん、インクルーシブ教育って難しい。

違うか。

インクルーシブ教育の現実

私は日本の公立の小中学校通ってましたけど、今ではどうなっているのかわからないけど、私が育った当時はうちの地域の学校は結構「インクルーシブ」っぽい教育してました。

そしてウン十年前の日本の公立ですから、タイのインターのように、「一人一人につきっきりでサポートしてくれる先生」なんておらず、「お世話係」なんてのもあったりして、子供の世界は残酷ですから、先生の目の届かないところで色々ありました。


なので、完璧なサポート体制が整っているタイのインターナショナルスクール、常に寄り添ってくれる専属の先生がいて、守ってもらえて、他の生徒の負担にもならない、そうよね、インクルーシブならこうでなくっちゃね、と感心していたのですが、そりゃ追加料金発生するんだから手厚くてあたりまえよね。

そしてそれはそれでそれなりに問題が生じるのね。


ところで、近ごろ日本で「ギフテッドだから(日本の)学校になじめない」という旨の話題を目にしますが、その目指すところは、いまの教育システムの中でギフテッドにも考慮したカリキュラムがあるべき、という議論なのでしょうか。

学級崩壊やらモンペやら何やらでただでさえ先生方が疲弊しているところへ、ギフテッドのことまで考えている余裕はなかろうに。

じゃあ「できますけど追加料金が発生しますよ」となったらどうする?

さあ、どうする。

ちゃんとしたインターであれば、レベル別の教育をしてるはず

結局、インクルーシブ教育の中ではギフテッドってどんな位置づけなんだろう、というのは疑問のままですが、インクルーシブ教育の難しさを垣間見たお話でした。

ただ、幼稚園の先生が言ってましたが、「ちゃんとしたインター」であれば、少なくともレベル別に分けて授業をするはず、とのことで、確かにそれはそうでした。

とびぬけたギフテッド用の授業は無理だろうけど、日本の公立で聞くような、一番下のラインに合わせた授業ってのはあり得ないのは確かで、さらにきちんと話をすればできる範囲で柔軟な対応はしてくれると思います。「できる範囲」なので、追加料金が発生する「サポート」の域には入りません。


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それに、タイのインターにはギフテッド向けの支援がある学校(確か追加料金なし)もあることはあるし、学校によっては出来のいい子だけ集めた特別クラスを提供しているところもあるから、ネームバリューやインター選びにありがちな「人種の多様性(=白人が多くてインターっぽい)」より、凸凹に対してのサポート体制やシステム、料金も徹底的に調べてちゃんと納得できるところを選んだ方がいいと思う。

一人一人にオーダーメードな教育をできる学校は存在しない

なんて言ってますけど我が家では最終的に、ギフテッド判定してくれたドクターに言われた「一人一人にオーダーメードで教育できる学校はない。だからその子に合った教育を学校外で用意してあげるように。」という言葉を胸に、学校には多くを求めず本人がハッピーに通えればそれでよし、プラスアルファは他で調達、って感じで落ち着いています。

そして今息子が在籍している、インターでかつインクルーシブな学校ってのは、追加料金がどうのというのはともかく、本当に多様性に満ちていて多くを学ぶことができる素晴らしい環境だとは思います。


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